知らないと損!中小企業が補助金申請でマイナンバーカードを使うべき理由
中小企業や個人事業主にとって、国や自治体が実施する補助金制度は非常にありがたい存在です。設備投資やITツールの導入、新規事業へのチャレンジなど、経営の土台を強化するための大きな後押しになります。
ただし現実には、「申請手続きがとにかく煩雑で、途中で諦めてしまった」という声も少なくありません。必要書類の多さ、電子申請の操作の難しさ、本人確認手続きの面倒さ…。せっかく補助金を活用できるチャンスがあっても、申請のハードルが高く感じてしまうのは、多くの事業者に共通する悩みです。
そこで注目したいのが「マイナンバーカード」の活用です。
「補助金申請にマイナンバーカードって本当に必要?」と感じる方もいるかもしれませんが、実はカードを持っているだけで、手続きがぐっとスムーズになる場面が数多くあります。
本記事では、中小企業・小規模事業者の立場から、「なぜ補助金申請にマイナンバーカードがあると便利なのか?」を、具体的な申請場面とあわせてわかりやすく解説していきます。
補助金申請になぜマイナンバーカードがあると便利なのか
現在、多くの補助金申請はオンライン手続きが標準になっています。
特に、IT導入補助金・ものづくり補助金・事業再構築補助金・小規模事業者持続化補助金など、国が実施する主要な補助金制度では、「JGrants(ジェイグランツ)」という電子申請ポータルサイトを通じて申請を行う形式が一般的です。
オンライン申請のほうが圧倒的に便利
オンラインで申請を行えば、次のようなメリットがあります。
- 書類の印刷・郵送が不要になる
- 申請の進捗がマイページで確認できる
- 修正依頼にもその場で対応できる
- 申請完了のタイムスタンプが記録として残る
- 一部の情報は自動入力・連携できるため記載ミスが減る
つまり、申請にかかる時間と手間を大幅に削減できるのがオンライン申請の強みです。
ただし、オンライン申請には「本人確認」が必須
ここで重要になるのが、申請者の「本人確認」です。
オンラインで補助金を申請するには、単にWEBフォームに記入するだけでは済まず、国が定めた「電子認証」を通じて、申請者が正規の事業者本人であることを証明する必要があります。
その際、本人確認に使える代表的な手段が「マイナンバーカード」です。
マイナンバーカードが必要になる場面1:GビズIDプライムの取得
電子申請を行うためには、「GビズIDプライム」というアカウントを取得する必要があります。このアカウントは、法人・個人事業主を問わず補助金申請の入り口となるもので、取得時に本人確認手続きが求められます。
マイナンバーカードがあれば、ICカードリーダーやスマートフォンを使って、その場で本人確認が即時に完了します。
一方、マイナンバーカードを使わずに申し込む場合は、印鑑証明書などの紙の証明書類を取得して郵送する必要があり、発行までに数日〜2週間程度かかることがあります。申請時期によっては、さらに時間がかかるケースもあります。
つまり、マイナンバーカードを使えば、「その場で即日発行」できるのに対し、カードがないと数日のタイムロス+印鑑証明などの取得の手間が発生するというわけです。
マイナンバーカードが必要になる場面2:JGrantsでの補助金申請
GビズIDを取得したら、実際の補助金申請は「JGrants」というポータルサイトで行います。JGrants上では、さまざまな補助金制度に共通のフォーマットで申請ができ、過去の申請情報を一部流用することも可能です。
このJGrantsも、セキュリティと本人認証を重視して設計されており、電子署名を含めたやりとりにマイナンバーカードが用いられる場面があります。
たとえば、申請者情報の登録や、申請書類への電子署名、提出後の修正対応などにおいて、マイナンバーカードの有無が処理スピードに直結するのです。
補足:マイナンバーカードの「電子証明機能」とは?
マイナンバーカードには、ただの身分証明書としての機能だけでなく、「電子証明書(電子証明機能)」が標準で搭載されています。
これは、簡単に言えばデジタル署名機能です。カード内に埋め込まれたICチップには、以下の2種類の証明書が格納されています。
- 署名用電子証明書:申請書や契約書などに対して、「自分が確かにこの書類を作成・提出した」という証明を行うためのもの。補助金申請の電子署名などで使用されます。
- 利用者証明用電子証明書:ログインや本人認証など、相手方に「自分である」ことを証明するためのもの。GビズIDプライム取得時などに使用されます。
これらの電子証明機能は、マイナンバーカード取得時に設定するパスワード(暗証番号)と連携して動作します。パスワードを忘れてしまうと再設定が必要になるため、適切な管理が大切です。
つまり、マイナンバーカードは「インターネット上での本人確認と署名ができる国家発行の信頼性あるデジタルID」として、補助金申請などの公的手続きにおいて極めて重要な役割を果たしているのです。
通知書がなくても大丈夫!マイナンバーカードの取得方法
マイナンバーカードは、補助金申請だけでなく、e-taxを使った確定申告など、さまざまな場面でメリットがあります。ですが、まだカードを持っていない方、あるいは申請途中で放置してしまっている方は、どうすればいいのでしょうか?そこで、中小企業の代表者や個人事業主がマイナンバーカードを取得するために知っておきたいポイントを整理してお伝えします。
カードの取得方法は意外とシンプル
マイナンバーカードは、誰でも無料で取得することができます。大まかな流れは以下のとおりです:
- 交付申請書の入手(通知カードまたは個人番号通知書と一緒に送られていることが多い)
- スマートフォンやPC、郵送で申請
- 市区町村から「交付通知書」が届く(およそ1か月前後)
- 本人が役所窓口でカードを受け取る
オンライン申請の場合、スマートフォンで顔写真を撮影してそのまま申請に使えるため、想像よりも手軽に申請が可能です。
カードの交付申請書を紛失・未入手でも大丈夫
カードを申請するには、通常「交付申請書(QRコード付き)」が必要ですが、以下のようなケースでも対応が可能です:
- 通知カードに同封されていた申請書を紛失した
- 最初から申請書自体を受け取っていない
その場合は、市区町村の窓口にて、交付申請書の再発行を申し出ることができます。例えば弊社のある目黒区では、窓口・郵送・オンラインで再取得可能ですが、多くの自治体で同じように、「交付申請書」が無くても簡単に手続きできるようになっています。
オンライン申請なら、スマホだけで申請可能!
意外に知られていませんが、マイナンバーカードはスマートフォンやパソコンから完全オンラインで申請できます。
手順は以下の通り:
- QRコード付きの交付申請書を手元に
- スマホでQRコードを読み取ると専用サイトへ
- 顔写真はその場で撮影 → 画面にアップロード
- 必要事項を入力して送信
パソコンの場合も同様に顔写真データを添付すればOKです。大田区や墨田区など多くの自治体ではオンライン申請の案内ページとサポート窓口が用意されています 。
「写真を撮りに行く」「書類を郵送する」といった手間が不要なため、最短10分程度で完結し、煩わしさがぐっと軽減されます。
交付までのスケジュールと注意点
申請書を送付またはオンライン送信後、カードの受取り通知まで約1ヶ月かかるのが目安です。公募開始の直前に申請しても間に合わないリスクがあるため、補助金申請を見据えて早めの取得が重要です。
まとめ:マイナンバーカードで「一歩先」の補助金申請を
補助金は、中小企業や個人事業主にとって貴重な成長のチャンスです。しかし、制度が充実する一方で、申請手続きはますますオンライン化・電子化が進み、従来の紙申請や窓口手続きだけでは対応しきれないケースが増えています。
マイナンバーカードは、こうしたデジタル申請時代において、「本人確認のデジタル鍵」ともいえる重要な役割を担っています。
- GビズIDプライムの即時発行
- JGrantsでの電子申請
- 煩雑な書類手続きの省略化
こうしたメリットは、カードを持っているかどうかで大きな差が生まれます。
「申請のタイミングが来てから考えればいい」と後回しにしてしまうと、いざという時に取得に1か月以上かかり、せっかくの補助金チャンスを逃してしまうかもしれません。
今のうちにカードを取得しておくことは、補助金申請のためだけでなく、今後さらに広がるオンライン行政サービスの活用にもつながります。
早めの準備が、あなたの事業の未来を支える大きな一歩になるでしょう。