ECサイトの「ショップ内検索」の課題と改善策:集客を無駄にしない「利益につながる」ECショップを実現するために

ECサイトの改善というと、多くの場合は「集客をどう増やすか」「広告やSEOをどう強化するか」といった話題に目が向きがちです。しかし、意外と見落とされがちなのが「ショップ内の商品検索」です。

どれだけ広告やSEOでアクセスを集めても、お客様が「探している商品に辿り着けない」状態では、その努力は売上に結びつきません。極端に言えば、集客にかけたコストや時間が、検索体験の不備によって無駄になってしまうことすらあります。

お客様がストレスなく商品を見つけ、納得感を持って選び、購入まで進める流れを支えるのが、ショップ内の商品検索という“仕組み”です。

一度でも、「せっかく来たのに、欲しい商品が見つからなかった」という体験をしたショップを、もう一度利用しようと思う人は多くありません。その場の売上を逃すだけでなく、将来のリピートや口コミの機会も同時に失ってしまう恐れがあります。

ショップ内検索の問題は、短期的な売上だけでなく、長期的な機会損失につながるという点で、非常に重要なテーマです。

そこで今回は、売上や利益につながり、ECショップの成長を支える“ショップ内検索”について、その課題と解決方法を具体的にご案内します。

「欲しい商品が見つからない」体験は、リアル店舗でもECでも同じ

みなさんも、大型のショッピングモールや家電量販店で「欲しい商品が見つからずに困った」経験があると思います。

私自身、学生時代に家電量販店でアルバイトをしていたのですが、現場で特に多かったのが「○○はどこにありますか?」というお問い合わせでした。そのため当時は、「自分の担当売場だけでなく、店内のどこに何があるかをできるだけ把握すること」「わからなければ、すぐに無線で確認して案内する」といったことを徹底して教わりました。

なぜなら、お求めの商品をスムーズに案内できないと、お客様はその場で買うのを諦めてしまうからです。

そして一度“探しにくい店”という印象がつくと、次も来ていただける確率は下がってしまいます。
その場の売上だけでなく、将来の売上も失いかねません。

これはECでもまったく同じです。
ECの場合、お客様は「探しにくい」と感じても、店員に声をかけて確認することが基本的にできません。

だからこそ、ECサイトにおける「探す体験」は、実店舗以上にシビアです。

実店舗では「聞ける」が、ECでは「聞けない」

実店舗であれば、お客様が迷っても、店員が案内できます。店側も、売場づくりや導線設計に加えて、“人”が最後にフォローできる余地があります。

一方でECは、基本的にすべてがセルフサービスです。
商品点数が増えれば増えるほど、お客様は「自分で見つけるしかない」状況に置かれます。

つまり、ECにおいてショップ内検索は、単なる機能ではなく、無言の接客そのものです。

お客様の「探したい」という意欲に対して、適切な導線を返せるかどうか。
ここでつまずくと、お客様は静かに離脱します。

そして多くの場合、離脱は“問い合わせ”として可視化されません。

「探したけれど無かった」
「面倒になった」

という理由で、何も言わずに去ってしまう方が多いでしょう。

だからこそショップ内検索は、売上の取りこぼしを防ぐための基盤として捉える必要があります。

ECの商品検索で重要なのは「絞り込み」と「並び順」

ECにおけるショップ内検索を考えるうえで、特に重要になるポイントは大きく分けて二つあります。

一つは「検索条件による絞り込み」。
もう一つは「検索結果の並び順」です。

単にフリーワードで検索できるだけでは、商品点数が増えるほど、お客様は目的の商品に辿り着きにくくなります。逆に言えば、この二点をきちんと設計できているECは、それだけで「探しやすいショップ」という評価を得やすくなります。

① 絞り込み検索がないと、お客様は商品を選べない

Amazonや楽天市場を思い浮かべるとわかりやすいですが、多くの大規模ECでは、フリーワード検索に加えて、

  • 価格帯
  • 配送条件
  • 商品の特長
  • スペックやサイズ

など、さまざまな条件で検索結果を絞り込めるようになっています。フリーワード検索だけでは、ヒットする商品数が多くなりすぎてしまい、お客様は「どれを選べばよいのかわからない」状態に陥りがちです。

また、お客様自身も最初から「この商品を買う」と決めているとは限りません。たとえばパソコンを探している場合、「価格はこのくらい」「メモリはこの程度」「用途はこれ」といった条件から、候補を比較しながら選びたい人が多くいます。

このように、条件から商品を選びたいお客様にとって、絞り込み検索は必須の機能です。

フリーワード検索だけに頼ったECでは、商品点数が増えるほど、お客様にとって不親切なショップになってしまいます。

② 検索結果の並び順は「お店の顔」

もう一つ、意外と見落とされがちなのが、検索結果の並び順です。ショップ内検索の結果画面は、単なる一覧ではなく、お店の顔そのものです。

スーパーマーケットに入ると、入口付近には色鮮やかな野菜や果物が並び、アパレルショップではシーズンのトレンド商品がマネキンに着せられています。いきなり魅力の薄い商品が、一番目立つ場所に置かれることはほとんどありません。

検索結果画面も、これと同じです。

たとえば「冬物コート」と検索したときに、デザインが古くなった在庫処分品がいきなり上位に並んでいたらどうでしょうか。お客様はワクワク感を失い、「このショップは微妙かもしれない」という印象を持ってしまいます。

単純に「検索条件に合致した商品を上から順に表示する」という仕様では、こうした問題が起きやすくなります。


検索結果は「最初に何を見せるか」で、売上と利益が変わる

検索結果の並び順は、売上だけでなく、利益構造にも影響します。もし利益率の低い商品ばかりが検索結果の上位に表示されてしまうと、それらばかりが売れてしまい、本来売りたい高利益商品が埋もれてしまいます。

だからこそ、

  • 売上順
  • 収益順
  • 人気順

など、ショップ側の意図を反映した並び順が重要になります。

検索結果は「中立」である必要はありません。むしろ、お客様にとって魅力的で、ショップにとっても健全な商品を優先的に見せるシステム設計が求められます。この視点が欠けていると、ショップ内検索は「探すための機能」ではなく、「売上を削る原因」になってしまうこともあるのです。

ショップ内の商品検索が、EC事業の成長のボトルネックになることも

こうしたショップ内検索の改善の遅れは、EC事業の成長のボトルネックになることも珍しくありません。

立ち上げ初期でまだ商品点数が少なければ、カテゴリを順に見ていくだけでも、ある程度は目的の商品に辿り着けます。そのため、「検索に問題がある」という認識がなかなか生まれません。しかし事業が成長し、取扱商品数が増えてくると状況は一変します。

検索や絞り込みが十分でないと、お客様はショップ内で迷子になりやすくなります。

  • あの商品はどこにありますか?
  • 以前買った商品を、もう一度買いたいのですが見つかりません

といったお問い合わせが少しずつ増えてくるのも、このタイミングです。

ここで注意したいのは、問い合わせとして届く声は、氷山の一角にすぎないという点です。

実際には、

  • 探したけれど見つからなかった
  • 面倒になって探すのをやめた
  • 他のショップで買った

というお客様のほうが、圧倒的に多く存在します。そして、こうした「何も言わずに去っていくお客様」は、データとしても、声としても、可視化されません。ショップ内検索の問題は、派手なエラーやトラブルとして表に出ることはほとんどありません。その代わりに、売上が伸び悩む原因として、静かに蓄積していきます。

だからこそ、

「何となく売上が頭打ちになってきた」
「広告費を増やしても、成果が伸びにくい」

と感じたときは、ショップ内検索を見直すべきタイミングだと言えます。

ストックビジョンで実現できる「売れるショップ内検索」

ここまで見てきたように、ショップ内検索の課題は単に「検索できるか・できないか」という話ではありません。

  • お客様が迷わず商品に辿り着けるか
  • ワクワク感を損なわずに選べるか
  • ショップとして、売りたい商品・利益を確保したい商品をきちんと前に出せているか

これらを同時に満たす必要があります。

ストックビジョンは、こうしたECの成長フェーズで顕在化する検索課題に対応するための、高度なショップ内検索機能を提供しています。

ストックビジョンとは?

ストックビジョンは、ECサイトの在庫データ・売上データをもとに、「いま何を、どう見せ、どう売るべきか」を判断するためのECデータ活用ツールです。単なる在庫管理やレポート表示ではなく、売上・利益・回転率といった実務に直結する指標を軸に、ショップ運営の意思決定を支援することを目的としています。

その機能の一つとして、在庫データや売上実績を活かした高度なショップ内検索・絞り込み・並び順制御にも対応しています。

高度な絞り込み検索と、柔軟な並び順設定に対応

ストックビジョンでは、詳細な条件による絞り込み検索に対応した検索パネルを構築できます。価格帯や商品特長、商品カテゴリといった基本的な条件はもちろん、ショップごとの商品構成や運営方針に合わせて、「お客様が選びやすい検索条件」を設計することが可能です。これにより、フリーワード検索だけでは見つけにくかった商品も、条件からスムーズに絞り込めるようになります。

また、検索結果の並び順についても、単純な一致順ではなく、売上順・収益順といった形で、ショップの意図を反映した表示順にカスタマイズできます。

お客様にとって魅力的な商品を上位に表示しながら、同時に、ショップとしての売上・利益設計も守る“現実的な検索体験”を実現できます。

検索パネルは、ショップ内のあらゆる場所に設置可能

ストックビジョンの検索パネルは、検索専用ページだけに設置するものではありません。

  • ショップのトップページ
  • 商品一覧ページ
  • ブログ記事や特集ページ

など、ショップ内のさまざまな場所に設置できます。

これにより、お客様が「探したい」と思った瞬間に、すぐ検索や絞り込みを始められる導線を作ることができます。たとえば、ブログ記事で商品を紹介した流れのまま、条件検索へ誘導したり、トップページから直接、カテゴリを横断した商品探索を始めることもできます。

検索を“特別な機能”ではなく、ショップ内回遊の中心に据えることで、探しやすさと回遊性の両立が可能になります。

ストックビジョンは、IT導入補助金に対応しています

「ストックビジョン」の導入にあたっては、IT導入補助金の申請が可能です。導入費用の一部を補助金で補填できるため、実質的な自社負担を抑えて導入いただけます。詳しくは、お気軽にお問合せ下さい。

まとめ:お客様が「迷わず買える」強いECショップへ

ECサイトの改善というと、つい集客や広告施策に目が向きがちですが、ショップ内検索は売上を左右する重要な基盤の一つです。お客様が「探している商品に辿り着ける」仕組みが整っていなければ、どれだけアクセスを集めても成果にはつながりません。

特に商品点数が増えてきたECショップでは、ショップ内検索の設計次第で、売上の伸び方、利益の出方、お客様の満足度が大きく変わります。

もし、

  • 最近、売上が伸び悩んでいる
  • 広告費を増やしても、効果を感じにくい
  • お客様がショップ内で迷っていそうだ

と感じることがあれば、一度、ショップ内検索の状態を見直してみる価値は十分にあります。

ショップ内検索を整えることは、ECの成長を次の段階へ進めるための、堅実で効果的な一手です。

ECの「データ」を「売上」につなげる【ストックビジョン】

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