フリーランスを本格化!「独立3年目」個人事業主にオススメの『IT導入補助金』活用術

独立してフリーランスとして働きはじめて、もうすぐ3年。「勢いで始めたけれど、思ったより続いてしまったな」という感覚を持っている方も多いのではないでしょうか。

開業当初はとにかく仕事を取ること、こなすことに精一杯で、パソコンや経理まわりの環境整備は「手元にあるものでとりあえず間に合わせた」という人も少なくありません。特にフリーランスは、“その場しのぎ”のやり方でも何とかなる場面も多いため、ついつい先延ばしになりがちです。

しかし、開業から3年が経とうとするこのタイミングは、「ちゃんと事業として整える」ための絶好の機会です。例えばこんな課題、思い当たりませんか?

  • 手書き帳簿やExcelでの管理に限界を感じる。青色申告で節税も検討したい。
  • ずっと私用のノートPCを使ってきたけど、処理速度が遅く業務に支障が出ている。
  • 見積書や請求書、契約書の管理が煩雑で、ファイルがあちこちに散らばっている。
  • Googleドライブの容量が足りなくなってきた。ファイル整理にも時間がかかる。
  • Gmailで取引しているが、そろそろ独自ドメインで信頼感のあるメールを使いたい。

こうした“見直したいけど、予算がネック”という状況におすすめなのが、「IT導入補助金」の活用です。業務の効率化と設備投資を補助金で後押しできれば、一気にステップアップが図れます。この「IT導入補助金」の概要や、具体的にどんなツールや機器が導入可能なのか、さらには「開業3年目」の事業者に合った活用事例をご紹介していきます。

IT導入補助金とは?個人事業主やフリーランスでも使える「国の補助金」

「補助金」と聞くと、なんだか難しそう、手続きが面倒そう……そんなイメージがあるかもしれません。でもご安心を。IT導入補助金は、個人事業主やフリーランスの方でも活用できる、とても現実的で使い勝手のいい制度です。

目次

IT導入補助金とは?個人事業主も使える「IT化促進」のための補助金

IT導入補助金は、正式には「サービス等生産性向上IT導入支援事業」といい、国(経済産業省・中小企業庁)が、中小企業や個人事業主の業務効率化やデジタル化(DX)を後押しするために実施している補助金です。

最大の特徴は、以下のようなツールや設備の導入費用のうち、一定割合を補助してもらえること。

  • 会計ソフトや顧客管理ツールなどの業務用ITツール
  • それに伴って使用するパソコンやタブレットなどのハードウェア
  • 電子契約、クラウドサービス、POSレジなども対象になる場合あり

「事業を本格的に整えたいけど、全部揃えるには出費が重い…」というフリーランスにとって、非常に心強い制度です。

個人事業主向け「IT導入補助金2025」完全ガイド ~初めての申請でも安心!ツール選定から申請サポートまで徹底解説~

​ 「補助金」と聞くと、法人向けの制度という印象を持たれるかもしれません。しかし、フリーランスや小規模店舗の経営者など、個人事業主でも利用可能な補助金制度があり…

IT導入補助金は、個人事業主でも申請できる!

この補助金は法人向けだけではなく、個人事業主でも申請可能です。フリーランスやスモールビジネスでの活用も広がっており、会計ソフトやクラウドサービス、パソコン購入などをまとめて導入して申請するケースもあります。

さらに、補助対象の経費は1件あたり約数十万円〜100万円超まで対応可能。導入費用の2分の1から3分の2程度が補助されるため、非常に高いコストパフォーマンスが期待できます。(※補助額の上限や補助率は、申請枠や申請内容によって異なります。)

利用には条件も!注意すべき3つのポイント

もちろん、いくつかのルールや条件があります。特に注意したいのは次の3点です。

  1. 「IT導入支援事業者」と連携して申請する必要がある
    → 自分で勝手にソフトを買っても補助は出ません。
  2. パソコン単体の購入はNG
    → あくまで「ITツールとセットで導入」する必要があります。
  3. 導入費用は一旦“全額自己負担”が原則
    → 後日補助金が振り込まれる「事後補助」形式です。

こうした条件はありますが、IT導入支援事業者に相談すればサポートしてもらえるため、補助金やITに不慣れな方でも安心して利用できます。

弊社も「IT導入支援事業者」です。お気軽にご相談下さい!
弊社(パークフィールド株式会社)は、IT導入補助金事務局の認定を受けた「IT導入支援事業者」です。IT導入補助金の申請手続き、ITツールの選定と導入、事業実施報告など、一貫したサポートをお任せいただけます。ぜひお気軽にご相談下さい。

【IT導入補助金活用イメージ】業種・規模を問わずにおすすめ!「3年目フリーランス」本格化基本セット

開業から3年目を迎えるフリーランスの皆さんにとって、事業の基盤を整えることは次のステップへの重要な一歩です。ここでは、業種や規模を問わず、多くのフリーランスに共通して役立つ基本的なITツールセットをご紹介します。これらのツールは全てIT導入補助金の対象となるため、導入コストを抑えつつ、業務効率化を図ることが可能です。

1. 会計ソフト:マネーフォワード クラウド

経理業務の省力化には欠かせない定番ツール。銀行口座やクレジットカードと自動連携し、取引の仕訳や帳簿作成を自動化。青色申告や電子申告にも対応しており、複式簿記の知識がなくてもスムーズに確定申告ができるようになります。

推奨プラン:スモールビジネスプラン
年額:35,760円(税込)
機能:3アカウント分の利用/見積書・請求書の作成/電子帳簿保存法・インボイス制度対応

【IT導入補助金2025対応】マネーフォワード導入支援サービス:高機能なクラウド会計ソフトを補助金で導入

弊社では、IT導入補助金2025に対応した「マネーフォワード」の導入支援サービスを提供しています。これにより、補助金を活用して、会計業務に欠かせないクラウド会計ソフ…

2. クラウドオフィス&ファイル共有:Google Workspace

メール、文書作成、表計算、プレゼン資料の作成、ファイル共有など、日々の業務に必要なクラウドツールを一つに集約。
独自ドメインでのメールアドレス作成も可能で、「信頼できる事業者」の印象アップにもつながります。

推奨プラン:Business Starter
月額:680円(1ユーザーあたり)
年間:8,160円(×2年=16,320円)

機能:Gmail、Googleドライブ(30GB)、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、カレンダーなど

3. 電子契約ツール:GMOサイン

契約書の作成・締結・保管をオンラインで完結できる「GMOサイン」は、フリーランスにとって業務効率化の強い味方です。紙の契約書に比べ、印刷や電子契約ツール|GMOサイン

紙の契約書に代わり、オンライン上で契約締結・保管を完結できる便利なツール。
業務委託契約や機密保持契約など、フリーランスが頻繁に交わす契約も、印刷・郵送・捺印の手間なく、数クリックで完了できます。

推奨プラン:契約印&実印プラン
月額:8,800円(税込)
年間:105,600円(×2年=211,200円)

機能:電子署名/テンプレート機能/締結状況の管理/クラウド保存/文書検索

【試算】IT導入補助金で「基本セット」を導入した場合の実質負担額(参考)

導入項目費用の内訳通常価格(税込)補助率補助額(税込)実質負担額(税込)
マネーフォワード(2年分)年額¥35,760×2年¥71,52080%¥57,216¥14,304
Google Workspace(2年分)年額¥8,160×2年¥16,32080%¥13,056¥3,264
GMOサイン(2年分)月額¥8,800×24ヶ月¥211,20080%¥168,960¥42,240
合計¥299,040¥239,232¥59,808

※価格は2025年現在のプランに基づく参考値です。
※補助率はインボイス対応類型(小規模事業者等)を想定。申請内容や補助枠により、補助率・補助対象範囲は変動します。
※初期設定費、導入コンサル費、支援事業者のサポート費用なども補助対象に含まれる場合があります。
※この表はイメージをつかむための参考です。実際の見積もりは事前にご確認ください。

具体例1(イメージ):WEBデザイナー IT導入補助金で最新パソコンに買い替え+会計ソフト導入。青色申告も可能に

【想定されるケース】

  • 業種:フリーランスWEBデザイナー・イラストレーター
  • 年商:約250万円

デザイン事務所から独立し、企業のWEBサイトやキャンペーンページなどを一人で手がけるフリーランス。クライアントとのやり取り、請求書作成、納期管理など、デザイン以外の業務もすべて自分でこなしている。

【よくある課題】

  • 制作ソフトが重く、PCの処理速度にストレスを感じる
     → 特にIllustratorやPhotoshopなどの複数同時起動が日常的で、古いノートPCでは動作が遅く、作業効率が落ちてしまう。
  • 帳簿はExcel手入力。申告時のストレスが大きい
     → 白色申告で乗り切ってきたが、毎年の確定申告が大変。節税のためにも青色申告を視野に入れたいが、複式簿記には不安がある。
  • クラウドストレージが足りず、ファイル整理に時間がかかる
     → 制作中の素材ファイルが多く、無料のGoogleドライブでは容量が不足。複数のストレージを使い分ける手間も煩雑。

【想定される導入ツール・機材】

導入内容補足説明
iMac M4(最新機種)高性能CPUで重たいソフトも快適動作。画面サイズも業務向き
マネーフォワードクラウド青色申告対応。自動仕訳・帳簿作成・電子申告も対応
Google WorkspaceGmail+独自ドメイン/30GBのクラウドストレージ/共同作業機能完備

【期待される効果】

  • ソフトの動作が安定し、制作作業に集中できるようになる
  • 会計処理の手間を削減し、青色申告で節税も視野に
  • ファイル管理の効率化により、業務のスピードと安全性が向上

こうした導入により、業務環境を整えることで精神的にも仕事に集中しやすくなります。

【試算】IT導入補助金を活用した場合の導入費と実質負担額(参考)

導入項目費用の内訳通常価格(税込)補助率補助額(税込)実質負担額(税込)
iMac M4(ハード)本体価格(初回導入)¥198,00050%¥99,000¥99,000
マネーフォワード(2年分)年額¥35,760×2年¥71,52080%¥57,216¥14,304
Google Workspace(2年分)年額¥8,160×2年¥16,32080%¥13,056¥3,264
合計¥285,840¥169,272¥116,568

※価格は市販モデルの想定価格に基づいた試算です。
※補助率はインボイス対応類型(小規模事業者等)を想定。申請内容や補助枠により、補助率・補助対象範囲は変動します。
※初期設定費、導入コンサル費、支援事業者のサポート費用なども補助対象に含まれる場合があります。
※この表はイメージをつかむための参考です。実際の見積もりは事前にご確認ください。

具体例2(イメージ):ハンドメイド雑貨のオンライン通販 在庫・注文処理を効率化!イベント出展対応も。IT導入補助金で業務用プリンタとクラウドツールを導入

【想定されるケース】

  • 業種:ハンドメイド雑貨のオンラインショップ運営(個人事業主)
  • 年商:約500万円

全国の作家からセレクトしたハンドメイド作品を扱うネットショップを運営。通販の売上は安定してきたものの、日々の業務量の多さと、イベント出展時の煩雑さが経営のボトルネックに。

【よくある課題】

  • 日々の受注対応や発送に追われて、本来の業務に集中できない
     → お客様対応、在庫確認、発送などの細かい作業に時間がかかり、新商品の開拓や販促など「本来注力したい業務」に手が回らない。
  • イベント出展時の会計・在庫処理が手作業で非効率
     → オンラインショップと在庫連携ができておらず、イベント中に手書きで記録→後日入力といった流れになり、ミスやロスも多発。
  • 印刷物の作成に時間と手間がかかる
     → 同梱チラシや納品書の印刷を家庭用プリンタで対応しているが、頻繁な紙詰まりやインク切れで業務が滞ることも。

【想定される導入ツール・機材】

導入内容補足説明
ネクストエンジン受注・在庫・顧客管理を一元化。複数モールとの連携も可能
スマレジ(クラウドPOS)展示会・イベント出展時の会計処理と在庫管理をその場で対応
エプソン PX-M6011F(複合機)大量印刷対応の業務用プリンタ。高耐久・高速印刷・スキャン・FAXにも対応
iPadスマレジ操作用端末。持ち運びやすく、イベント現場でも即戦力

【期待される効果】

  • 注文処理や在庫確認の作業が自動化され、日常業務の負担が軽減される可能性がある
  • 展示会や即売会でもクラウド連携により、在庫反映や会計処理が効率的に行えるようになると見込まれる
  • プリンタの性能向上により、発送物の品質向上や印刷業務の安定化が期待される

こうした改善により、作業時間の短縮やヒューマンエラーの削減といった効果が見込めます。結果として、「本来の仕事」に割ける時間が増える可能性があります。

【試算】IT導入補助金を活用した場合の導入費と実質負担額(参考)

導入項目費用の内訳通常価格(税込)補助率補助額(税込)実質負担額(税込)
ネクストエンジン(2年分)年額¥66,000×2年¥132,00080%¥105,600¥26,400
スマレジ(2年分)年額¥13,200×2年¥26,40080%¥21,120¥5,280
エプソン PX-M6011F初期導入(一括)¥54,80050%¥27,400¥27,400
iPad(第10世代)初期導入(一括)¥68,80050%¥34,400¥34,400
合計¥282,000¥188,520¥93,480

※価格は市販モデルの想定価格に基づいた試算です。
※補助率はインボイス対応類型(小規模事業者等)を想定。申請内容や補助枠により、補助率・補助対象範囲は変動します。
※初期設定費、導入コンサル費、支援事業者のサポート費用なども補助対象に含まれる場合があります。
※この表はイメージをつかむための参考です。実際の見積もりは事前にご確認ください。

具体例3(イメージ):営業コンサルティング・営業代行

契約業務や顧客管理を効率化!クラウドツール導入で対応スピードと信頼性が向上

【想定されるケース】

  • 業種:営業コンサルティング・営業代行(フリーランス)
  • 年商:約350万円

法人向けの営業戦略立案や、実務の営業代行を請け負う個人事業主。定期契約に加え、最近は単発案件の依頼も増加中。業務の幅が広がる一方で、契約書まわりや顧客管理など、バックオフィスの負担も増してきた。


【よくある課題】

  • 毎回の契約手続きに時間がかかり、本業の時間が削られている
     → NDA(機密保持契約)や業務委託契約など、都度印刷・押印・郵送の手間が負担に
  • 顧客情報がエクセル管理で煩雑。リピーター管理にも限界
     → 1年前のクライアントから再度連絡が来たが、やり取りの履歴が残っておらず、対応に苦労した。
  • 営業用のプレゼンや商談ツールも古く、信頼性に不安
     → 外出先での資料提示やオンライン商談にも活用できる高性能なタブレット端末が必要

【想定される導入ツール・機材】

導入内容補足説明
GMOサインNDAや業務委託契約などをオンラインで締結・管理。印刷・郵送の手間を削減
HubSpot(CRMツール)顧客管理・営業支援ツール。やり取り履歴、商談ステージ、リマインド機能も搭載
Google Workspace共有ドキュメント/カレンダー/独自ドメインメールなど、日常業務を統合管理
Microsoft Surface Pro商談・プレゼン対応のための高性能タブレットPC。持ち運びやすくビジネスにも最適

【期待される効果】

  • 契約締結業務をオンライン化し、1件あたりの事務処理時間を大幅に短縮できる可能性
  • CRMの導入により、顧客情報の整理と営業活動の可視化が進み、リピート率向上が期待できる
  • プレゼンや外出先対応もスムーズになり、営業活動全体の信頼性が高まる

【試算】IT導入補助金を活用した場合の導入費と実質負担額(参考)

導入項目費用の内訳通常価格(税込)補助率補助額(税込)実質負担額(税込)
GMOサイン(2年分)月額¥8,800×24ヶ月¥211,20080%¥168,960¥42,240
HubSpot Starter(2年分)月額¥6,000×24ヶ月¥144,00080%¥115,200¥28,800
Google Workspace(2年分)年額¥8,160×2年¥16,32080%¥13,056¥3,264
Surface Pro(タブレットPC)一括購入¥180,00050%¥90,000¥90,000
合計¥551,520¥387,216¥164,304

※価格は市販モデルの想定価格に基づいた試算です。
※補助率はインボイス対応類型(小規模事業者等)を想定。申請内容や補助枠により、補助率・補助対象範囲は変動します。
※初期設定費、導入コンサル費、支援事業者のサポート費用なども補助対象に含まれる場合があります。
※この表はイメージをつかむための参考です。実際の見積もりは事前にご確認ください。

まとめ:開業3年目は「事業の地固め」に最適なタイミング!補助金を活用して、無理のない環境整備を

フリーランスや個人事業主にとって、開業から3年目というタイミングは、「とりあえず何とかやってきた」から、「きちんと続けていく」への転換点。
事業としての信頼性や効率性を高めたいと思いつつも、設備やツールにかかる費用を考えると、つい後回しにしてしまいがちです。

そんなときに活用したいのがIT導入補助金業務効率化につながるツールやパソコンなどの導入に対して、国から最大で半額以上の補助が受けられます。

もちろん補助金には条件もありますが、ポイントを押さえればフリーランスや個人事業主でも十分に申請可能
特に開業から3年目であれば、確定申告などの事業実績も整ってきており、必要書類の準備もスムーズです。

  • 「本当は導入したかったけれど、費用面でためらっていた」
  • 「事業の次のステージに進むために、今こそ基盤を整えたい」

そんな方にこそ、IT導入補助金は非常に現実的で、有効な選択肢になります。

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